こんにちは!ものとです!
現在、”iwa”の名前でFROX games、4toT制作という2つのグループで、ボードゲームのルールを作ったりカードや箱などをデザインしたりなど総合的デザインをさせてもらっている”中の人”です。
今回は、ばば抜き✖️正体隠匿系ゲームの「犯人は踊る」を分析的レビューしたいと思います。
「犯人は踊る」ってどんなゲーム?
概要
犯人は踊るは、めちゃくちゃシンプルなルールでとっても気軽に招待隠匿系ゲームが楽しめるカードゲームです。
プレイヤーが覚えるべきことは、
「自分の番が来たら手札を1枚出して、書いてある効果を実行する」
たったこれだけ!
「ばば抜き」のように「自分の番が来たら隣の人の手札をもらう」わけではなありません。
「ばば抜き」の要素は、一部のカード効果による「手札が隣の人に渡る」点にあります。
「正体隠匿系」とはいわゆる「人狼」のように、プレイヤーの中からランダムに「今回の悪者」が指定され、自分が悪者であることを隠しながら(正体を隠匿しながら)勝利条件を目指すスタイルのことを言います。
「犯人は踊る」ではカードの中に1枚だけ「犯人」カードがあり、「犯人」カードを持つ人が「悪者」と定義されます。(といってもそんな重い感じじゃありませんが。そこがすごい。)
ルール
ルールは極めて簡単です。
- 自分の番が来たら、自分の前にカードを1枚出して効果に従う
- 1番最初に「第一発見者」を持つ人が「第一発見者」カードを出してスタート。順番は時計回り。
- 勝利条件は3つ。①「探偵」を使って「犯人」を持っている人を当てる、②「いぬ」を使って「犯人」カードが誰のどこにあるのか当てる、③「犯人」カードを出す(「犯人」は手札が「犯人」のみの場合のみ出せる)
文字にすると少し複雑に感じるがしれませんが、要は
・「犯人を当てる」か「犯人として逃げ切る」
・自分の番になったら1枚出す
たったこれだけです!
別記事でイラストを使って簡単ルール説明もしているので、よろしければそちらも参考にしてみてください。
「犯人は踊る」のすごいところ
それでは分析的レビューに移っていきます!
誰でも分かるルール
まず「犯人は踊る」のすごいところは、誰でも分かるくらいシンプルなルールと、ゲームの世界観です。
まず分かりやすい”すごいところ”は、カードを読むだけでルールが分かること。
少し説明を受けるだけで、あとは配られたカードを読むだけでルールが理解できます。
全てカード内に完結させている点が素晴らしい。
そしてルール説明補助として隠れた要素、ゲームタイトルとカード名が素晴らしい!
「犯人は踊る」のキモは、「できれば犯人を持ちたくない」と全員が思うことで生まれる読み合いです。
それは「基本的に犯人は弱い」「でも犯人で勝つ可能性も残されている」というルールにあります。
このルールを、全員に、直感的に、一瞬で理解させてくれるのは、「「犯人」」というワードそのものにあります。
誰しも「犯人」と聞くだけで、「逃げなければいけない」「犯人になった以上は逃げ切るしかない」といった感覚を、アニメで、漫画で、日常会話で体感してきています。
この「プレイヤーの理解力」を信じて「犯人」という言葉を使う。
この「犯人」というワードが、ルール説明の隠れた功労者になっているのが「犯人は踊る」のすごい点です。
犯人で勝つと最高に気持ちがいい
「探偵」や「いぬ」で「犯人」を当てると、非常に気持ちがいいです。
それこそ、「さっきまで持っていた犯人、今はどこにあるんだ?」などと推理し、見事言い当てた時はとても気持ちがいいものです。
一方、「犯人」は、勝利するまでの紆余曲折が楽しく、そしてハラハラするので、こちらもとても気持ちが良いのが特徴です。
「アリバイ」カードがあれば、「探偵」に言い当てられても負けを回避することができます。
「アリバイ」を使いこなす。この気持ちよさと成功させたい誘惑は相当なものです。
「たくらみ」カードを出した人は、「犯人」が勝つと自分も勝ったことになります。
「たくらみ」を出した人と言外に通じ合い、協力し、勝ちを目指す。こっそり協力し合うワクワクドキドキ感はやみつきになります。
危機を回避し、仲間と裏で協力し、最後まで粘ってやっと勝利できる「犯人」。
「犯人」は勝ちにくいだけあって、勝った時の達成感はあるいは「探偵」で犯人を当てるよりも気持ちがいいかもしれません!


場札で読み合いができる
「犯人は踊る」では、自分の出したカードは自分の目の前に置きます。
この各プレイヤーの目の前のカードである程度犯人の位置が推測できるので、リアクションや表情を読んだり嘘を見抜くような推理が苦手な人でも、場札からじっくり相手の思考を読んで推理することが出来ます。
僕自身、「相手が嘘をついてるか?」という推理よりも、状況を整理して理屈っぽい推理をする方が好みなので、このシステムが結構お気に入りです。
また、場札の枚数で「次が誰の番か」がすぐ分かるのも地味にポイント。
盛り上がっている時ほど、「うわさ」などで全員が同じ動きをした後に次が誰の番か分からなくなって急に冷めちゃうことがあるので、重宝するシステムです。(僕は、順番が分からなくなり公平感が失われ真剣さが場から薄まるのを感じます)
リアクションで読み合いができる
自分は理屈による推理派ですが、僕の弟はプレイヤーのリアクションや表情を読んで犯人を当てていました。
これって結構すごくて、
リアクションを読む直感派と、頭で考える理屈派が同じ土台で対等に勝負できて楽しめる
ってことなんですよね。
もっと言えば
「ボードゲームって頭使いそうだからやりたくなーい」
「ボードゲームは結局頭いい人が勝つんでしょ?」
と言ってボードゲームを避ける人も、ふつーーにボードゲーム好きな人に勝てちゃうんですよね。
どんな人も一緒に楽しめる。
「犯人は踊る」が大好きな理由の1つです!
カード構成で運と実力のバランスが調整できる
これすごい!
実は「犯人は踊る」は使うカードの構成が決まっていなくて、ある程度好きに変えられちゃうんです!
読み合いが好きな人たちなら、運要素を減らすために「うわさ」を減らして「情報操作」を増やせばいいし、
考えることが苦手な人が多いなら、「うわさ」を増やして運要素を強くすることで、頭の良し悪しの差を埋めることができます。
「取り引き」を増やすとカードが回りにくくなるので、より読み合い要素が強くなります。
遊ぶメンバーやその日の気分によってカード構成を変えることでみんなが楽しめるようになるし、
慣れてきちゃったなーと思っても、カード構成を変えることでプレイ感が変わるので、飽きずにたくさん遊べちゃいます!
結果、誰とでも同じ温度感で楽しめちゃうなんて、本気で「奇跡的」だと思います!
場面に応じた「犯人は踊る」のカード構成の記事もありますので、よろしければご覧ください!
手札が少ないから読み合いに集中できる
各プレイヤー、初期手札は4枚でスタートします。
1番最初に出す時、選択肢はたったの4つ。
「犯人」は出せないし、同じカードのダブりがあることも多いので実際の選択肢はもっと少ないです。
このおかげで、「自分の手札をどう使おう?」と考える労力が減って
「犯人はどこだ?」と考える方にエネルギーを使えます。
手札が少ないことで、ゲームのメインである推理にプレイヤーを誘導することに成功しています。
ひいてはボードゲームの楽しさの一つである”コミュニケーション”、もっと言えば”場の雰囲気を共有する一体感”をたくさん感じることができるようになっています。
手札が少ないから反省会が盛り上がる
手札が少ないため、一度のプレイにかかる時間も短くなります。
このおかげで、ボードゲームの醍醐味の一つである反省会が簡単に大盛り上がりします。
例えば将棋ならどうでしょうか?
一度のプレイが長いので、最初から最後までを思い出して反省会をし「ここでこう来たから参っちゃったよねー(笑)」のように盛り上がるにはある程度経験やセンスがいります。(だからこそ反省会は盛り上がるとも思いますが)
しかし「犯人は踊る」は1プレイが短いため、「あの時アリバイ出したから犯人だと思ったー(笑)」なんて反省会をみんなで共感しながら話すことができます。
僕、反省会好きなんですよねーーー
手札が少ないから再戦のハードルが低い
1プレイが短いから、という理由もありますが、「再戦時にカードを配る手間が少ない」のがポイント。
例えばトランプだと、52枚を1枚1枚配るのって地味に面倒。
ですが「犯人は踊る」なら、4人ならたったの16枚配るだけで済みます。
ちょっと反省会してる間に配り終わっちゃうので、もうやめ時が分かりません。(笑)
ずーっと楽しい時間が続きます!
自動でスタートプレイヤーが決まるから再戦のハードルが低い
僕これ本当に大好きな要素なんですよね!
「犯人は踊る」は「第一発見者」を持っている人からスタートします。
トランプのばば抜きなら、大体の場合はじゃんけんで順番を決めるのではないでしょうか?
じゃんけんだと、人数が多いほどなかなか決まらなくて、面倒臭く感じるんですよね…
かといって、順番決める用にサイコロとか用意するのも面倒だし、結局サイコロも1人ずつ振るの面倒だし…
「負けた人から」とか「勝った人から」にすれば自動で順番決まるけど誰か1人に偏って不公平になるし…
順番決めって地味に面倒で、個人的には再戦のハードルが少し上がります。
ところが!
「犯人は踊る」は、再戦のためにカードを配るだけで順番が決まります!
順番決めのハードルが無くしかも公平!なんて素敵なシステムでしょう!
嘘をつけない人でも楽しめる
人狼などの正体隠匿系が苦手な友人がいます。
友人曰く、
「嘘をついたり人を騙したりすることに強い抵抗があるから苦手」
とのこと。
しかしそんな彼でも「犯人は踊る」は大好き!
「犯人は踊る」は、カードを回す/回さないを決めるだけで、人を積極的に騙す必要がないのが良いんだと思います。
ランダムで手札が回るので、騙すつもりがなかったり嘘をつかなくても勝手に相手が混乱してくれるのも楽しいポイントかなと思います。
正体隠匿系が苦手、嘘をつくのが苦手な人でも楽しめる!
素晴らしいシステムです。
デザインが緊迫感を薄め楽しさに変えてくれる
「犯人は踊る」、そのタイトルの物々しさと対照的に、イラストがとっても面白かわいいんですよね!
思わず、くすっ、と笑ってしまうようなイラストのおかげで、正体隠匿系にありがちな殺伐とした雰囲気を完全に吹き飛ばしてくれます。
効果が書かれているメモ帳をモチーフにしたようなデザインも秀逸。
カードからはみ出るように右側に寄っている上に、豪快に斜めにデザインされているおかげで
カードから飛び出してリアルの世界で遊んでいるという臨場感や
キッチリ型にハマらなくていいという開放感、そして「犯人を推理して当てるゲームだ」という物々しい先入観を打破してくれます。
実際に僕の友人は、出したカードからの読み合いを完全に捨てて表情だけ読むゲームに変えちゃってましたしね!(笑)
まとめ
「犯人は踊る」を、プレイの感想ではなく主にシステム的な面からレビュー(感想)をまとめてみました。
「犯人は踊る」の良さは結局のところ「シンプルで誰でも楽しめる!」なんですが、その理由が深いんですよね。
深読みし過ぎでしょうか?(笑)
ですが僕の「犯人は踊る」愛は伝わったかなと思います!
少しでも興味を持った方、ボードゲームの中では価格が安い部類に入るので、どうかお気軽にご購入いただき
よろしければ他のボードゲームにも興味を持っていただくきっかけになれば嬉しいです!
それでは、また別の記事でお会いしましょう!




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